クルマは、好きなクルマを選ぶのがイチバンだ!

クルマ好き歴44年、クルマ運転歴34年の、クルマ好きによる、偏愛的クルマ選び

クルマを選ぶ③「サイズ 大きめクルマ編」

生活環境の変化によって、選ぶクルマが影響を受けるということはよくあることだ。 

 

20代の僕は、ワゴンとかミニバンとか、まったく興味はなかった。言い方を変えれば「嫌い」だったと言ってもいい。もちろん、当時もインプレッションの仕事をしていたし、自動車メーカーの仕事もしていた。だからおおっぴらに「嫌い」とは言えなかったが、個人的にはまったく興味はなかった。

 

しかしそんな僕も、ワゴンに乗らざるをえない生活環境になっていく。家族が増える、ということだ。

 

前回の「小さいクルマ」で最後に紹介したのは、MGミジェットというイギリスのオープン2シーター。つまり2人乗りだ。子供が生まれれば、当然家族全員が乗ることができない。

 

そこでクルマを買い換えることになり、手に入れたのが日産セフィーロ・ワゴンだ。

 

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セフィーロ・ワゴン。スポーツパッケージとかいうグレードだったと思う。グリルがちょっと若々しい

当時はレガシーとか、ボルボとか、とにかくブームで、国産大手もいろいろなサイズのツーリングワゴンをリリースしていた。その中で、このセフィーロ・ワゴンの最大の特徴はラゲッジルーム。国産モデルとしては最大の広さを誇っていた。このクルマに乗っていた頃、仲間とレーシングカートをやっていたのだが、リアシートを倒せば積めるということで、ウチのクルマが積載車になっていたこともある。

 

エンジンの排気量は2000ccと小さかったが、V6だったから、とても滑らかなフィーリングで好きなクルマだった。

 

で、このクルマともサヨナラすることになるのだが、そのきっかけは4人目の子供ができたから。6人家族となり、法律的に5人乗りのツーリングワゴンでは乗り切れなくなったわけだ。そこで初めてのミニバンを手に入れることになる。同じく日産のプレサージュというクルマだ。

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最初のプレサージュ。義父も欲しがっていたことがあったので、「これにしたのか!」と言われた

フルモデルチェンジの少し前ということ。さらにホンダのオデッセイに比べて人気がなかったということでだいぶ値下げしていたので、最上級グレードを割安で買ったと記憶している。ぼってりとして、かっこよくはないのだが、もともとミニバンに興味がないから、それも気にならなかった。ただ、ミニバンの中でも小さめのものにしたことが後々災いする。

 

子供は大きくなるのだ!

 

数年もするとお兄ちゃん達の体のサイズが、プレサージュでは収まらなくなり、さらなるサイズアップを図らなければならず、どうせならと買ったのがコレだ。

 

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このサイズのミニバンとしては、一番かっこいいと今でも思う。シンプルな線と面で構成されたエクステリアが好き。ぶつけられても相手が壊れるだろうという頑丈なボディも、家族を乗せることを考えると頼もしい

メルセデスのV280。かなりでかいし、重い。2トンくらいあったはず。よく壊れると聞いていたが、幸いにもそれほどの被害はなかった。知り合いの工場で車検などの面倒を見てもらっていたのだが、「あたりだよ!」と言ってもらったくらい。こいつとは南会津とか、南相馬とか、福島によく出かけた。シートをすべて外して取り外せるので、流行の「車中泊」よろしく、後部に布団を敷き詰め、子供達を寝かせながらの夜間移動もよくやった。

 

6年ほど乗ったが、最後の最後にトラブル。ラジエターやらなんやらが怪しくなって、「いくらかかるかわからんよ」と言われ、買い替えを決意する。

 

そして再び日産プレサージュに戻るのだ。

 

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2回目のプレサージュ。デザインも悪くないし、使い勝手もいい。よくできたファミリーカーだと思う

2代目プレサージュは、前に乗っていたモデルよりもスタイリッシュなデザインと使いやすさを両立した、とても良いクルマだった。車内に小物入れが多かったり、リアゲートがガラスハッチだけが開いたり。ユーザーフレンドリーにするためにはどうすれば良いかが考えられた、理想的なファミリーカーだったと思う。

 

と、ここまで書いてきて今回も長くなったので、そろそろまとめを。

 

僕の場合、本当に「3列シート」のクルマが必要でミニバンを買った。家族が4人とかだったら、おそらくミニバンに乗ることはなかったであろう。

 

でも、当然だけど手に入れてしまえば、そこに楽しさはある。前述のV280で触れたように、シートを外して布団を敷き詰め、そこに子供を寝かして夜中に移動するなんてことはミニバンじゃなければできなかったことだ。そして、その思い出は子供達にとっても貴重なものになっているみたいで、今でもたまに彼らの口からその夜の話が出たりする。「面白かったなぁ、あの時のドライブは!」って。

 

その意味では、最初は渋々と選んだ「大きめのクルマ」だったが、それも「アリ!」という風に今では思っている。